見てしまったので

もうそれは遅いし、見なかったふりするのも良心の呵責(大袈裟ですが)を覚えるので、書いておこうと思います。

某翻訳者さんのブログで、英文で数値の範囲にダッシュを使うと書かれていました。「ダッシュにも種類がある…(中略)…説明は難しい」とありましたが、難しくはありません。数値の範囲を示すための記号は en dash という種類のダッシュです。ほかにも英文でよく見るダッシュ記号に em dash があります。google検索で en dash まで入力すれば、「en dash 使い方」「en dash em dash 使い分け」といった検索予測が出てくるほどですので、少なくとも記号の種類の名称ぐらいは知っている人は多いようです。

もう遅いというのは、すでに数年前から、トップレベルのeditorさんやwriterさんたちは、論文等で数値の範囲を示すのに en dash 記号を使わないようになっているからです。トランスレーション-craftsの講座でも、同じ横棒の記号でもお仕事で使う機会が多い en dash と em dash と hyphen と minus sign とはそれぞれに異なることをお伝えし、まずは各自で使い分けを調べてもらい、通学コースではいずれかの記号を使う箇所に遭遇するたびに違いと一般的な入力方法をお伝えしてます。そのなかで、「ただし、数値の範囲を示すのに en dash 記号を使わないように」ともお伝えしています。通信コースの方には添削や訳例などでお伝えしています。

そういうことです。


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