決して楽にはならない
訳出のヒントを見ながら訳す「実践準備コース」の方々の訳文を拝見していると、ヒントがあるとはいえ、暗がりのなかを手探りで進んでいる感じだったり、水の中を目を上手くあけられずにとにかく手足を動かして進んでいる感じだったり、に近い感覚で課題の翻訳を進めているのが伝わって来ることがあります。
でも、大丈夫。私も最初は同じだったから。もちろん、今も決して楽ではありませんが。
なぜトライアルに合格するのか。なぜすぐに、こんな大量のお仕事を任せてもらえるのか。こんなにしんどい思いをして訳しているのに。お仕事が来るたび、「こんな日本語わかるわけないやん」そう思いながらも進めるしかありませんでした。
何が違うのかはたぶん、膨大な量の和訳のお仕事を通じて、この日本語をそのまま英語に置き換えるのはおかしい、とか、どの日本語がどの英語と対応しているかのストックがあったからでしかないと思います。
決して楽ではないと書きましたが、むしろ先へ進めば進むほど、その先の勾配の急さは増していきますので、しんどさは大きくなる一方です。山登りと同じですね。訳例を見てもらっている校閲者さんが手加減しないのも、勾配がいかに急かを突きつけられている感じにつながっています。
本当に、上を見ればきりがありませんね。それでも上は見ておかないといけないのですが。
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