本当の翻訳者の仕事はその先なのに
翻訳のお仕事をされている方とか、トライアルを受けている方とかのブログをたまに拝見するのですが、他人事(だけど同業者としては他人事ではない)ながら、心配になります。
私が英訳のお仕事をはじめたころは、信頼できる資料がなく、和訳で蓄積した頭のなかの英文データがすべてといっても過言ではありませんでした。
でも最近は、「間違いやすい…」とか、「日本人にありがちな…」とか、書籍にしてもwebサイトにしても、まともな情報が見つかるようになってきました。
私も何が書かれているのかそれなりにチェックはしているのですが、ほとんどどれも当たり前すぎて、これから英語で論文を書こうとしている方や、英文ライティングに慣れていない方向け(要するに翻訳者以前)のレベルです。そういう書籍やサイトを見て「参考になる」と言っている人が翻訳者だったりすると、正直、怖いです。
トランスレーション-craftsの「実践準備コース」と「通学コース」の「訳出のヒント」は、そういった書籍やサイトに「間違い」とか「そういう書き方はしない」などと指摘されているような英文は、「そもそも書けない」ようになっています。また、通学コースでは適宜、なぜダメなのかの理由も説明しています。
「訳出のヒント」はそれ以外にも、主語の見つけ方、何をどういう順に書くか、どのように和文(原文)和訳(英語の発想)するか、などなど、何らかの形で英訳の仕事をされている方からも「ヒントがなかったらこんな英文は思い浮かばなかった」と言っていただけるものになっています。
0コメント